大型おもちゃ店や模型店を回ると必ずあるのがフィギュアです。髪の毛から服装にいたるまでの繊細な作りこみと、画面の中から飛び出してきたような躍動感溢れるポーズを決めたフィギュアは、日本のみならず外国にまでファンが居ます。総合格闘家のジョッシュ・バーネットは「青い瞳のケンシロウ」「世界最強のオタク」の二つ名でも知られ、来日のたびに秋葉原でフィギュアを買い求めることでも有名です。そんなフィギュアの魅力を紹介します!
フィギュアは、広義では「人間・ロボット・動物などを立体的に形作った人形」として扱われます。1980年代後半までは家内制手工業的に少数量産されたものを『ガレージキット』、塩ビなどの素材で機械的に大量生産されたものを『ソフビ人形』と呼んでいましたが現在では両者とも「フィギュア」にカテゴライズされています。また、融点の低いホワイトメタルで製作されたメタルフィギュアなどもフィギュアとして扱われます。
そもそも、人形としてのフィギュアの歴史は古く日本人形やヨーロッパのビスクドールにまで広範に渡って遡ることができます。しかし、現在の『ガレージキット』から派生したフィギュアは、1980年代前半に原点を見ることが出来ます。当時、SFブームの真っ只中で市販品の人形やプラモデルに満足できなかったファンが「満足できるものが無いのなら自分で作ろう」という一心で作り始めたのがきっかけです。この時期からガレージキットの製作法や量産技術が確立され始め、日本最大のガレージキットの祭典である「ワンダーフェスティバル」が開催されるようになったのです。このワンダーフェスティバルを主催していたのはアニメ制作会社ガイナックスの全身であるゼネラルプロダクツでした。現在は主催権を委譲された海洋堂が開催・運営しています。
アニメやゲームや映画のキャラクターは、ファンにとっては二次元の「絵(画)」という形で存在しています。限りなく本物に近い三次元の形でキャラクターを楽しむことが出来ることこそがフィギュア最大の魅力といえます。また、フィギュアには「自分で作り出す楽しみ」もあります。そして、自分で1からつくりだしたフィギュアを他の人に楽しんでもらうことも出来るのです。
もし、あなたが何らかのきっかけで「フィギュアが欲しい!」と思った場合、どうすればよいのでしょうか?
もっとも簡単な方法です。最近はトイザラスのような大型おもちゃ店でも入手が簡単に出来るフィギュアも多くなっています。しかし、物によっては小さな模型店のほうが無理なく買えるものもあるのでリサーチしておく必要があります。また、最近はリサイクルショップなどでも入手できることがあるので、チェックしてみましょう。
大抵のフィギュアメーカーやショップは通信販売を行っています。模型専門誌やフィギュア専門誌にはそういったショップの広告が出ていますので参考にすると良いでしょう。mた、インターネットショッピングに対応したショップなども増えてきているのでブラウジングのついでに探しても良いですね。
現在では流通していないフィギュアや、手に入りづらいトレーディングフィギュアなどの場合はネットオークションを利用するのが有効な手です。ただ、オークションの場合面白半分に値を吊り上げる参加者がいたり、入札期間を過ぎてからお目当てのものを見つけてしまったりすることが多々あるので要注意です。
下手すると自分しか需要が無いフィギュアは製品化される兆しが無いものと思ってしまったほうが良いかもしれません。そんな時はどうすればよいのでしょうか? ここは先人たちに見習って「自作する」しかないでしょう。
初心者がいきなり製品化されているようなフィギュアを作るのは無謀な話です。最近のフィギュアブームを受けて、フィギュア製作の入門書も出ているようですが基礎技術をマスターするためにはやはり手を動かす必要があります。また、立体的な造形を感覚的に理解するための完成品フィギュアを用意しておく方が無難かと思います。
フィギュアを自作する場合、幾つかの必要なものが出てきます。まずは『素材』。プラモデルなどに使うようなポリパテや石粉粘土が初心者向きのようです。もちろん紙粘土でも構いません。フィギュアの中に入れる『骨組み』も必要です。針金などで大まかな形を作りその上から素材を盛り付けていくのが一般的なやり方です。『工作用具』も必要になってきます。美術用品のスパチュラやカッターを取り揃えておきましょう。また、最近はルーターが100円ショップでも出回っているので用意しておくと便利です。形が出来たら塗装のための『サーフェイサー(下噴き剤)』を吹き付けておきましょう。プラモデル用のもので構いません。
小学校の頃の図工の時間を思い出してください。粘土細工の時、粘土ひと塊から全体像を作り出していた人も多いと思われます。しかし、フィギュア造形の場合全体像を一気に作り上げることはナンセンスと言ってしまっても間違いないです。フィギュアの場合、パーツごとに作っていく必要があります。また、素材を練って一発で思い描く形にする必要もありません。大まかに盛り上げて素材が固まった後で削りだしても良いのです。フィギュア造形は「足し算と引き算」で成り立っています。別々に作ってくみ上げる「足し算」、大まかな形から削りだす「引き算」を駆使してフィギュアを作り上げるのです。
「人形改造コンテスト」という、模型メーカーのタミヤが主催しているコンテストがあります。これはタミヤが販売している1/35スケールのミリタリー人形を改造して作品にして出品するというものです。また、「ピンキーストリート」という美少女フィギュアがあります。こちらは着せ替え可能な二頭身半のフィギュアを改造して遊ぶことが出来ます。このように、既製品を改造することで自分の欲しいフィギュアを作り出してもいいのです。
魔改造と呼ばれる技法があります。これは美少女フィギュアを改造して「肌色の部分」を増やそうというものです。魔改造というネーミングは往年のプラモデル漫画「プラモ狂四郎」に由来しています。ネット掲示板やネットオークションで静かなブームを巻き起こした魔改造フィギュアにも教則本が作られるなど、認知度が急上昇しつつあるようです。
一部のジャーナリストがある事件の犯人を「フィギュア萌え族である」という持論で糾弾し話題になったことがあります。彼の言う「フィギュア萌え族」は、ギリシア神話を由来とする「ピグマリオン・コンプレックス」ではないかと推察されます。このピグマリオン・コンプレックスは、『ピグマリオンという青年が自らの理想の女性像を、象牙で彫り上げ愛していたのを見た美の女神アフロディーテが像に命を吹き込み人間にした』というエピソードに由来しています。しかし、ピグマリオンは『「人間の女性としての理想像」を彫り上げた』のではなく、『「理想の女性」である彫像を掘り出し愛していたのではないか』解釈が出来るわけです。つまり、『萌えているフィギュアさえあれば別に人間は必要ない』という可能性をジャーナリストは考えていなかったのです。つまり、持論に拘り過ぎるのは良くないということです。
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