「人類を脅かす悪に敢然と立ち向かう自由の戦士」、それが仮面ライダーです。石ノ森正太郎先生によって描かれたまったく新しい『正義の味方』は、仮面ライダー生誕35年を迎えた今も子供たちの心に、勇気と優しさを教えているのです。
「仮面ライダー」は、1971年に東映・毎日放送によって製作された特撮ドラマです。『仮面を付けた正義の味方が悪の秘密結社に戦いを挑む』という企画は、漫画家・石ノ森正太郎との出会いによって「クロスファイヤー」、そして「スカルマン」へと変化していきます。しかし、製作側が乗り気だった「スカルマン」はテレビ局側の『正義の味方が骸骨仮面と言うのはいかがなものか』というクレームによって暗礁に乗り上げてしまいます。そこで石ノ森先生による『自然界に存在する骸骨に似た形』を取り込むという提案がなされ、バッタの顔の意匠を取り込んだ現在の「仮面ライダー」へと変化して言ったのです。
仮面ライダーは、そのデザインの成立の経緯から『自然から遣わされた正義の戦士』という立場を持っています。『物質文明のダークサイドとも言える悪の秘密結社を、自然と調和した仮面ライダーが倒す』という構造は第一作目にして完成していたのです。仮面ライダーは『人類の自由と平和を守る』という使命を持っています。現在に至るまでさまざまな悪が登場してきましたが、そのたびに仮面ライダーは『人類の自由と平和』を守るため、人の側に立ち戦い続けてきたのです。
仮面ライダーたちは、それぞれの理由で仮面ライダーに変身する能力を得ています。家族の仇を討つために、友人の仇を討つために、師の仇を取るために、夢のために、人類を守るためにと、様々な理由をもっています。しかし、復讐のためだけに戦い続けた仮面ライダーは一人としていません。仲間や愛する人の協力によって、戦うことの本当の意味を掴み、諦めることなく人類の自由と平和のために戦い続けたのです。
仮面ライダーシリーズは、「昭和ライダー」「平成ライダー」の二つに大別されます。ですが、ここではさらに細分して四つの分類に分けることにします。なぜなら、「厳密に言えば仮面ライダーBlack RXは昭和・平成に跨っている」「真・ZO・Jの位置づけが曖昧である」ことなどを解決するためです。
昭和ライダー
昭和第一期
本郷剛が変身する仮面ライダー一号と一文字隼人が変身する仮面ライダー2号が悪の秘密結社ショッカー(後にゲルショッカーに再編)と戦いました。
ショッカーの残党によって組織されたデストロンに、風見志郎が変身する仮面ライダーV3と、元デストロンの科学者・結城丈二が変身するライダーマンが立ち向かいました。
深海開発用改造人間「カイゾーク」となった神敬介は、日本支配を企むGOD機関と「仮面ライダー第五号」仮面ライダーXとして戦いました。
アマゾンの奥地で育った山本大介は、育ての親バゴーの手によって仮面ライダーアマゾンとなり、バゴーの仇である十面鬼ゴルゴス率いるゲドンとゼロ大帝率いるガランダー帝国と戦いました。TBS系列とテレビ朝日系列の「ネット腸捻転」状態を解決する時期にぶつかったため、24話という長さになってしまいました。
人間を操るサタン虫を使う秘密結社ブラックサタンによって、仮面ライダーストロンガーに改造された城茂。しかし、脳改造手術の直前に電波人間タックルこと岬ユリ子と脱走し、ブラックサタンとデルザー軍団に敢然と立ち向かっていくのです。
昭和第二期
新しいシリーズという位置づけのため、タイトルは第一作と同じになっています。新たな悪の組織・ネオショッカーによって友人を失った筑波洋は志度博士の協力によってスカイライダーとなります。重力低減装置の使用による飛行能力を持ったライダーです。
惑星開発用改造人間として改造された沖一也は、仲間の命を奪ったドグマとの戦いに身を投じ、仮面ライダースーパー1となります。赤心小林拳という拳法を中心にしたアクションには定評があります。
映像化を目標に、幼年向けテレビ雑誌を中心に展開された10番目の仮面ライダーです。全ての組織を操っていたバダンによって全身の99.9%まで改造されたパーフェクトサイボーグとなった村雨良は仮面ライダーZX(ゼクロス)となって、姉の仇でもあるバダンに先輩ライダーたちと立ち向かいました。後にテレビスペシャル「10号誕生!仮面ライダー全員集合!!」で映像化されました。
原点回帰を目指した作品です。皆既日食の日に産まれた南光太郎と秋月信彦は秘密結社ゴルゴムによってブラックサン・シャドームーンへと改造されてしまいます。しかし、光太郎は養父である信彦の父によって救い出され、仮面ライダーブラックとしてゴルゴムの野望に立ち向かうのです。
ゴルゴムとの戦いに打ち勝った光太郎は叔父の下でヘリコプターパイロットとして生活していましたが、新たなる敵・クライシス帝国に敗北してしまいます。しかし、太陽の光を浴びたことによって新たなる力を得て仮面ライダーブラックRXへと進化を遂げるのです。また、最終決戦では先輩ライダーが駆けつけています。
平成ライダー
プレ平成期
石ノ森先生主導による新シリーズとして製作された『平成最初の仮面ライダー』です。最新の遺伝子工学によって、『財団』と呼ばれる組織の手で密かにバッタの遺伝子を組み込まれた風祭真は、愛する者の為に財団と戦う決意を固め仮面ライダーシンへと変身します。しかし、本編中で一度も「仮面ライダー」と呼ばれることがないまま企画が中断してしまいました。
雨宮慶太監督による「仮面ライダー」です。師匠の望月博士によって『ネオ生命体』の実験体に改造された麻生勝は、望月博士の息子・宏を狙うネオ生命体・ドラスに戦いを挑みます。CGを駆使した映像がこの作品の魅力の一つです。
ZOに続く雨宮ライダー第二弾です。「J」は唯一の『巨大化するライダー』なのです。カメラマンの瀬川耕司は、かつて恐竜を滅ぼした機械獣母艦フォッグ・マザーたちによって命を落とします。しかし、大地と共に生きる地空人の手によって仮面ライダーJとして復活、フォッグ・マザーたちに戦いを挑むのです。
平成期
1998年に石ノ森先生が逝去され、平成ライダーは石森プロダクションによって製作されています。また、平成ライダーからは小学館の雑誌「てれびくん」で読者サービスのスペシャル編ビデオが製作されるようになりました。
新世紀の仮面ライダー第一弾です。TBS系列からテレビ朝日系列へ放送局を移動して、今までの仮面ライダーと一線を画す演出が話題を呼びました。「未確認生命体」と呼ばれる超古代文明の戦闘民族・グロンギが封印を解かれ復活、指導者を決める「ゲゲル」を再開します。かつてグロンギを封じた戦士「クウガ」のベルトを受け継いだ冒険家・五代雄介は「みんなの笑顔を守るため」グロンギとの戦いに身を投じます。
本来はクウガの続編となるはずでしたが、諸事情により「クウガのパラレルワールド」という設定に変更されています。未確認生命体との戦いの後、新たに現れた超越生命体アンノウン。「ヒトの進化形」アギトへと変身する津上翔一、対未確認生命体強化服G3の装着員氷川誠、アギトの変異体ギルスへの変身能力を得てしまった葦原涼、そして最年長ライダーと呼ばれるアナザーアギトに変身する木野薫の四名が時には戦い、時には力を合わせアンノウンと戦うのです。
過去最大の13人の仮面ライダーによるバトルロイヤル「ライダーバトル」が話題を呼びました。ジャーナリストの卵・城戸真司は連続行方不明事件の取材先で手に入れたカードデッキ。それは、仮面ライダー龍騎への変身アイテムであると同時に、ライダーバトルへの強制参加権でもあったのです。真司はライダーバトルを終わらせるために戦いに身を投じます。
5を三つ並べて「ファイズ」と読みます。人類の進化形である「オルフェノク」と人類の生存競争の中、夢を持たない男・乾巧は園田真理と出会い、変身ベルト「ファイズギア」によって仮面ライダーファイズへと変身します。巧は真理の幼馴染・草加雅人の変身する仮面ライダーカイザ、三原修二の変身する仮面ライダーデルタと共にオルフェノクとの戦いに巻き込まれていくのですが…
都市伝説の中で語られる存在「仮面ライダー」と全ての生命体の祖「アンデッド」の戦いを描いた作品です。仮面ライダーブレイドの装着者・剣崎一真と仮面ライダーギャレンの装着者・橘朔也はアンデッドたちによる種の繁栄を賭けた戦い「バトルファイト」を阻止すべく、謎のライダー・仮面ライダーカリスに変身する相川始と仮面ライダーレンゲルの装着者・上城睦月と共に戦うのです。
「平成のアマゾン」を標榜した異色作です。物語途中の路線変更などがありました。自然の中から生まれる妖怪「魔化魍」と戦う、鍛錬の末に変身能力を得た「鬼」ヒビキたちの戦いを少年・安達明日夢の視点から描いた作品です。
第一作を現在に舞台を移してリメイクした作品です。漫画版の要素を取り入れ、ライダーは「強化服・ヘルメットの装着による変身」となっています。
「仮面ライダー生誕35周年記念作品」と銘打った最新作です。7年前に渋谷を壊滅させた隕石から現れた生命体「ワーム」と人類を守るための組織「ZECT」の戦いの最中に現れた、『天の道を行き、総てを司る男』を名乗る男・天道総司は、カブトゼクターによって仮面ライダーカブトに変身し、ワームとの戦いに身を投じるのです。装甲排除「キャストオフ」・高速行動能力「クロックアップ」を駆使して戦う『マスクドライダー』とワームの戦いは遂に時空をも越えようとしているのです。
そして、2001年より講談社の漫画雑誌「マガジンZ」誌上で連載を開始した「新時代における歴代の仮面ライダー」を描いたのが「仮面ライダーSPIRITS」です。「仮面ライダーZX」を物語の根幹とし、再構築した物語と作画を担当する村枝賢一先生の『熱い』作風と写実的な画風が相まって高い人気を博しています。
「仮面ライダーSPIRITS」は、昭和ライダーにスポットを当て現代のエッセンスを加えた上で再構成していることでストーリー上の魅力を高めています。また、村枝先生の画力によって、写実的に描かれた登場人物は「熱い血が流れている」ことを感じさせてくれるのも魅力の一つとなっています。主人公としての立場に置かれているのは初代「仮面ライダー」で本郷・一文字の良き協力者であったFBI捜査官の滝和也で、滝自身も漆黒のライダーズスーツと骸骨がペイントされたヘルメットを装着して「仮面ライダー」を名乗っています。また「仮面ライダーZX」である村雨良も主人公であり、背負った宿命に苦悩しながらも、「守るための戦い」を誓い「仮面ライダー」となる姿が描かれています。
石ノ森正太郎先生が「仮面ライダー」に込めたのは、「自然との共存であり、物質文明偏重への警告である」という見方があります。しかし、それはほんの一面にしか過ぎません。「人類の自由と平和を脅かす悪に立ち向かう風」こそが、仮面ライダーの姿であり、願いであるのです。
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